エンタープライズでChatGPT導入を成功させる秘訣とは…ChatBOT導入失敗から学ぶ解決策
ChatBotの悲劇を予想させるChatGPT導入
2016年頃、第三次AIブームの時代、Watsonさんと言う時代を牽引するAIがいらっしゃいました。当時ブームに乗った当方も、Watson R&RベースでChatBOTを納品していたりしました。とは言え、パンツの色問題が依然と猛威をふるっていたこともあり、UIはチャット用のキャラを利用せずに、検索UIに寄せて開発していたのを記憶いたしております。
当時は企業内のドキュメント検索では、ファイルの中身にINDEXを張っていない事が多かった事もあり(技術的にはできたはずなのですが)、様々な企業様に納品していたのは、辛い記憶です。と言うのも、同じようなファイルがバージョン名を変えて大量に保存されていたり、ファイルの内何個かが中身が破損していたり、当時はIEしか使えないと言う闇のような仕様があったりと、技術側は問題なかったのですが、お客様用の納品のために、全ドキュメントを目視で適合バージョンのドキュメントを精査すると言う泥臭い目GREP祭りがついて回ったりしていたのです。
とあるPOCで検索対象ファイルはウェブサイトに全て保存されているので、それらの対象を抽出したい、と言うお話に対応した時も…一部のファイルだけSJISになって全て文字化けしてINDEXされると言う謎現象に苛まれたり、4byte(クワッドバイト問題)で悶絶したりと、自然言語処理の奥深さには悩まされ続けました。
お陰でスクレイピング能力が高まったり、AmazonアフィリエイトAPIから全商品情報を取得したりと、なかなか味わえない経験が出来たのは楽しい思い出ではありますが。(ちなみに、某Amazonさんの日本上陸を手伝っていたこともあり、国内でのAmazon アフィリエイト登録番号は、10番以内で開始しているのですが、1度も売上が立ったことはありません)
パンツの色問題とは、チャットボットにかわいい女性キャラを採用した企業での社内問い合わせ履歴のトップが『パンツの色何色?』だった事と、AIエンジニアが、他社が開発したAIチャットボットへの1回目のが『パンツの色何色?』だった嘘のような本当のお話です。
一瞬で弾けたChatBOTブーム
当時はチャットボットを導入する事が様々な企業様での至上命題であったのは事実なのですが、導入が一巡すると、過疎化問題にさいなまれる事になりました。
それまでの企業内検索があまりにも酷い事から、ChatBOTに対する期待値が高かったのですが、UIを『チャットボット』に寄せてキャラクターを配置してしまった企業様の場合、大半が、『パンツの色問題』に悩まされ、この問題をブレイクスルー出来なかったチャットボットは、あっという間に、飽きられて利用率が1カ月1回も使われない忘れ去られたBINGにおける、りんなちゃんのようになってしまった訳です。
具体的な事例をイメージしていただくために、最近の事例をご紹介すると、2022年1月26日にリリースされた『BINGにおけるりんな』ちゃんを思い出していただくと近いかもしれません。
この機能への人気の検索クエリが、『BING りんな 消す』なので、お察し下さい。
尚、りんなちゃんの代わりに、あの悪名高き『カイル君』もキャラクターに選択出来たのは、最悪のUIだったのだと理解できます。(当時の検索クエリナンバーワンが、『お前の消し方』だった訳ですし。
継続率維持に必要だった物
2020年のUNIQLOさん、MUFGさんのチャットボット等に見られる、チャットボット+人力回答と言う実装、UIにキャラクターを採用しないチャットウィンドウと言う結論に落ち着いたチャットボット群でしたが、今度は今度で、質問に自動で回答できなかった時の最適な結果を再学習させるコストがかなり重くなり、もはや、AI技術の世界よりもコンテンツマネージメントの世界に陥り、導入費2に対してメンテナンス費が8になるような事態に陥り、当職としても、技術導入に関連するアドバイザリーはお受けしておりましたが、実際の導入からは身を引いた(同義語辞書作成等の地味な領域だけやっていた)と言うのが実情でした。
UNIQLOさんのチャットボット導入事例
IQで解決できないことは、オペレーターが対応します。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/iq/ より
チャットボットで対応できないご質問については、チャット専門のオペレーターが引き継ぎ、お答えいたします
https://www.bk.mufg.jp/tsukau/chat/index.html
Panasonic ConectさんのGPT導入成果は
公開されている情報を元に算出すると、1カ月で1人一回も利用されていない(1日あたり利用回数、0.00944444444、つまり1日あたり、100人に1人が使っている?)と言う、プレスリリースに対する回答としては、悲劇的な値になってしまっています。
ここら辺、広報さんをコントロールしておかないと、『約1カ月間で、利用回数は1万7059件、質問数は5万5380件』と言う数字だけをお話してしまうため、成功した!と言うリリースが、1人あたり利用回数を見られて撃沈するケースになりかねません。
2023年4月14日、約9万人のグループ国内全社員を対象に、ChatGPTをベースに構築したAIアシスタントサービス「PX-GPT」を利用開始したと発表した。
運用開始から約1カ月間で、利用回数は1万7059件、質問数は5万5380件に上った。1回の利用で平均約3個の質問が寄せられている計算になる。なお、ChatGPT利用時の評価点は5点満点で平均約3.75点
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2304/21/news067.html
インプリ方法を画面から推測する
プレスリリースで出ているGPTのインプリを見る限り、社内検索からは独立した、『おしゃべり相手』としてのチャットボットと推測が出来ます。本来であれば、社内検索システムの右エリアにGPTが、検索結果クエリをBING Searchのように要約するか、ChatGPTのように第3の意見、情報を提供すると言うインプリであれば、GPT利用回数=検索クエリ数だったのですが、このインプリを行うと、『社内機密情報が流出してしまうかもしれない問題』(この問題は、昔から翻訳システムで結構あったのですが、最近無駄に注目されてしまっていて、もう少しリテラシーをどうにかして欲しいと言うのか、有償契約で検索クエリを再学習に使わない等の契約をしっかり巻いて対応すべきだと思うのですが)と
もう一つの壁である、クエリ課金が高額に仕上がる問題がどうしても、『みんなに沢山使ってほしい』『が使ってほしくない』と言う拗らせた中高生の恋愛みたいな状態になってしまっている事がうかがえます。
ChatGPT搭載のチャットボットを構築する費用はおいくら
作るだけであれば、100万円もいらないレベルで作れる時代になっています。極端に言えば、ある程度技術力のあるエンジニアさんがいる会社だと、概ね1週間もいらない作業かもしれません。
GPTを使ったチャットボットをちゃんとインプリしたい場合
ここまで書いてしまうと、ほぼ実装方法の正解は自明なのですが、以下の要素を満たしたGPTの導入シナリオが分からない企業様がいらっしゃる場合、1カ月10万円で情報提供をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。以下の条件を満たした解決方法をお知らせいたします。
- 構築費を安く、爆速で
- 『ユーザーさんたちが利用しまくってくれて』
- 『満足度を高く保て、使い続けてくれる』
- 『大量の課金が発生しない』
Azure OpenAI Service などAIをビジネスに活用するためのシナリオ策定ビジネスインパクトの整理からゴール設計までを一緒に行いたい企業向けのサービス。(1000万円~)と比較すると超格安ですね。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000004474.html
B2C検索におけるGPTの未来は…闇
このブログにもある通り、B2C側は新しいビジネスモデルが確立出来ない限り、GPTを活用しての検索結果クエリの要約は…『誰も幸せにしないソリューションになりそうですね』
AIによる要約にユーザーが満足してしまうと、元となったWebサイトへのアクセスは減少することになります。これは広告収益で運営されているWebサイトにとって、売上機会の損失につながります。
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamaguchikenta/20230213-00336901