日本企業はチャットGPT市場でも負けてしまうのか…法人におけるベストなGPT利用先を考える
『チャットGPTの開発は停止するべき?』という質問をして、当のチャットGPTが…
『「『複雑な問題があり、慎重な検討が必要』。これは、『チャットGPTの開発は停止するべき?』という質問をして、当のチャットGPTが返した答えです」』
各プレスでの表記をそのまま転記しています。
2023年4月4日
まさかのこたつ記事でしょうか?ChatGPTのプロンプトに聞いて、返ってきた回答をニュースタイトルにすると言うのは、もはや冗談を通り越していましたね。概ね回答はOpenAIからの回答ではなく、ChatGPT の回答だけの様子です。
OpenAIの正式コメントとは思えなかったため、ChatGPTのプロンプトで同じ質問を投げてみました。
同様のコピーコンテンツが国内のコンテンツで大量配信されてしまっている点は、ニュースを様々なウェブサイトに配布するというインターネット構造の闇を感じる次第ですが、どうやら、日テレさんの内容を文字起こしして、各ウェブサイトに配布した時のスクリプトが独り歩きした様子がうかがえます。
さて、入り口から脱線しましたが、結論は以下に収斂するのではないかと思われます。
落合さん 「チャットGPTを作っている『オープンAI』にユーザーが1億人集まるのはとても早かったですし、毎日1億人が使って、それがまた学習に使われているというのは非常に独壇場になっている、そのことが不満だという方々の非常に政治的なメッセージだと感じます」
有働キャスター 「自分たちも開発したいのに『待ってくれ』、ということですか?」
落合さん 「表でやめろと言いながら、裏でみんな作っているという感じです」
実は、この運動、https://futureoflife.org/ でのオープンレターがきっかけになっていて、当の署名活動ですが、本記事を記載している4月9日段階で18,979人の署名が集まっているので、市場に恐怖感がある事は理解できますね。(同団体が3月29日に発表した書簡には有名人を含む9000人以上が署名している(4月5日時点)との事なので賛同者もゆっくり伸びている気がします)
AI開発停止要請の公開書簡、問題解決につながらず=ゲイツ氏
一方のビルゲイツ氏は『AI開発停止要請の公開書簡、問題解決につながらず=ゲイツ氏』とおっしゃられており、先行している有意さを活用して一気にライバル企業に水をあけたいお気持ちが痛いほど伝わってきます。
軍事技術でもよくあるお話ですが、どこかの企業が先行した場合、半年開発を止めてもらって、その間に追いつきたいという意向が強く感じられる次第で、開発が停止される状態は全く予想しにくいのが現状です。
AI開発停止要請の公開書簡、問題解決につながらず=ゲイツ氏
この情報自体は1回目はYahooニュースで見ているのですが、元ソースはロイターです。ここら辺の情報ソースの裏取り工数がかなり跳ね上がっているのはChatGPT時代の害悪というよりも、ニュースの配信問題として課題になりそうですね。報道各社としてはポータルサイトに情報を出さないとアクセス数は稼げない、稼ぐためにはニュースポータルキュレーションサイトと土管契約する。結果各報道機関のウェブサイトへのアクセス数が減って、有料コンバージョン読者が増えない…と言うジレンマ状態なのですが、まだこの領域に気付いているメディア(報道機関)が増えてない点が悲しい所になりますでしょうか。
ビルゲイツ氏:新しいAI時代が始まった!
The Age of AI has begun | Bill Gates (gatesnotes.com)
ゲイツ氏サイドは「AIが私たちの生活を豊かにする」と考えていて、AIが多くの仕事を奪っていくよりも、仕事のやり方をポジティブに変えていく可能性側にメリットを感じている事が分かります。
ゲイツ氏が考えるAIにとってかわられる業務は営業(デジタルまたは電話)やサービス、文書の処理(支払い管理や経理、保険金請求など)に伴う不随ルーチンタスク、スケジュール管理、定型文書の作成等、ルール化しやすい(定型パターンが発生しやすい領域)としている所からしても、真の狙いは、Microsoft Office製品の拡張と絶対的なドミナント化にあると推測しています。
ビルゲイツ氏は、これからもAIについての議論は盛んに行われると予測し、議論の際に注意すべき点を3つ挙げている。
- AIの良い面も悪い面も理解して、しっかりとバランスを取る
- AIは自発的に貧困層を救うように働きかけるわけではないので、AIを世界の課題を解決するために活用すべき
- 私たちが今体験しているAIはまだ始まったばかりで、今のAIの限界はすぐに解消する
一大ブーム or Late Majorityには届いていない?
技術者の7割が「ChatGPT」の利用経験なし、世界的ブームも腰重く
一方日経クロステックさんの記事(2023.04.04)では、まだまだ日本国内のエンジニアさん達の利用状況は低そうです。
とは言え、ここは分析脳な人間としては、『 ソフトウエア開発基盤を手掛けるJiteraは2023年4月4日、対話型AI(人工知能)「ChatGPT」の利用動向などに関する調査結果を公表した。対象は20~50代の国内エンジニアで、529人から回答を得た。業務利用か否かを問わず、7割がChatGPTを使ったことがなく、実際に試行したことのあるエンジニアは少数にとどまることが明らかになった。』
どうしても、Jiteraさんを調べたくなるわけでして、Jiteraさんのページも確認しました。(職業病でしょうか)
どうやら、引用のリリース(3月30日)は以下を参照しているようですが、こちらでは7割が利用していないという数字になっているため、『7割』が独り歩きしている様子です。
4月4日のリリースでは50%が使っていないとなっているため、どうしても集計処理で失敗している気がしてなりません
アンケート母集団も双方529名との事でしたので、現状は調査票と回答母集団の分布を見ない限りは、信用することが難しく、分析チームのメンバーがこんな結果を持ってきたら、、、最初からやり直し!としてしまう気がします。
最初はアンケート対象となっている技術者のスキル分布を見ようと探しただけなのですが、ちょっと集計結果も微妙過ぎて、それ以上内容を読み進めるのを断念してしまったレベルでした。
Twitterトレンドを見ても、ChatGPT3、ChatGPT4、ChatGPT5と皆さんが注目している事が痛いほど分かる位のtweet量になっていますし、AI業界だけでの注目ではなく、日本全国老若男女問わずの注目になっている点は、第3次AIブームの時とは何か異なる状態になっている様子をうかがう事ができそうです。
結論
- 海外ではOpenAIの開発速度に追いつかないベンダー達がどうにかOpenAIの開発を一時停止しようと頑張っている
- 日本国内ではまだ法人利用が進んでいない(というように見せかける記事が日本の後進国っぷりを煽っている)
- 実際はMicrosoft365に搭載が始まるため、気づかない内に利用が進んでいく
と言った所でしょうか。
当初からの当職の読みが間違っていなければですが、GPTによってもたらされる未来は以下に収斂すると思われます。
- GPT技術は、主にB2Bの中で活躍する
- B2B利用(法人内利用)ではMicrosoftさんが既に保持しているライツを上手にMicrosoft365に搭載してくるため、個別に準備を行う必要は大きくない
- 検索を纏めてくれる技術は、webトラフィックを情報提供者側のサイトに提供出来ないため、どのみち、検索エンジンに利用許諾を与えられなくなり、百科事典化する(オワコン化する)
- GPT5が登場する頃には、GPTで作ったか、人が書いたか分からない文章レベルに仕上がるため、検索エンジンのINDEXが汚れ過ぎて検索エンジンがバグる…(→対策未定)
4月2日に記事を投稿した後、少し調査を怠っていただけで、かなり進化してしまうので、本当にGPT関連の事象からは目を離す事ができませんね。