名寄せの重要性‐名寄せにまつわる成功事例・失敗事例を赤裸々解説(前編)
そもそもの『名寄せ』とは(初手から脱線)
『名寄』とは、、、、google先生に質問すると真っ先にお答えいただくのが…
なよろ市なんですね…
そうじゃなくって、知りたい事は名寄せ!なんです、名寄せ!とSEO対策に全く寄与しないギャグを入れたところで
最近、CDPの導入に伴って、何故か『名寄せ』というキーワードを耳にすることが増えてきています。ふるさと納税するとトウモロコシとか牛肉がGET!出来そうなので、ご興味のある方はぜひぜひ!(sponsored linkですらありません)
https://www.satofull.jp/products/ranking.php?s3=171
コロボックルさんがいそうな感じなので、ご興味があれば、観光旅行に行くのも良いかもしれません!(情報求む!)
さて、気を取り直して、『名寄せとは?』の前に少し脱線を続けまして…
名寄ということばは名称の羅列という意味で、一般的に名所名寄、美人名寄などと使うが、能楽用語では、能および狂言における曲目一覧表をいう。能名寄、謡名寄、狂言名寄などがあり、曲柄順、五十音順、入門・大習(おおならい)・一子相伝といった稽古(けいこ)の段階順、謡本の組合せ別、作者別など、各種分類されているのが普通である。江戸時代には、幕府あるいは藩主に対する各流のレパートリーの申告書であった。現代の上演曲目は入場税の関係で税務署に届けられるために、申告以外の曲目、たとえば世阿弥(ぜあみ)時代の古い曲の復元や新作能の上演には、重要無形文化財指定の出演者を網羅した場合の免税特典もなくなり、他の古典芸能より厳しい扱いを受けている
小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)
なんと!能楽用語が期限なんですか?となる次第(さらにSEOを邪魔する投稿)
日本近世の村方帳簿の一つ。検地帳に基づいて村ごとに作成された土地台帳。百姓の名まえ別に田,畑,屋敷の石高(こくだか),面積を1筆ごとに記載し,それを合計して百姓別の石高,面積を記帳している。年貢の村請(むらうけ)制のもとで,村役人が村請年貢を村内で割り付け,徴集する必要から,村内における年貢諸役の負担責任者を明確にするために作成した。検地帳が領主側で作成した帳簿であるのに対し,名寄帳は,検地で確定された村高に応じる村請年貢を納入するために,村内の実情に即して村側で作成した帳簿である。
株式会社平凡社世界大百科事典 第2版
民明書房も泣いて逃げ出すような雑学を身に付けたのでした。
いや、名寄帳って言う言葉で、次の脱線2発目の側に行くと思ったんですが、甘かったです
現代社会での名寄せとは(脱線2発目)
お口直しにWIKIの記事をもとにきちんと解説します。
名寄せ(なよせ)とは、元々(昭和以降ですが)、『金融機関、行政機関業務で使われていた用語で、転じて近年CDPの導入に伴って、マーケティング用語となってきている、一値のお客様を1人としてデータ統合する所作を言う』
B2BとB2Cで実行方法が異なる点はご注意ください。またB2B、B2Cが混ざった業務形態の企業の場合は、実行難易度が数倍跳ね上がる点も注意が必要です。
金融機関、行政機関業務の場合:
預金保険法施行以前
同一金融機関内、より狭くは同一支店内に同一顧客(自然人・法人・法人格を有しない団体等を問わない)が、複数の口座を保有することになった場合、後続する口座を開設する際に、顧客属性情報(「名前」「住所」「生年月日」「設立年月日」等)を用いて既存口座との権利主体・属性一致を確認し、一致する場合は、同一顧客の複数口座として「一元管理」する手続きのこと。これによって、各種取引口座(預金口座・貯金口座の他貿易取引口座)を、一元管理することが出来るようになる。
具体例預金口座でも「普通預金口座」「当座預金口座」「通知預金口座」「定期預金口座」「積立預金口座」「外貨預金口座」等の口座相互の「名寄せ」、「支払承諾(保証)口座」「貿易取引口座」「投資信託口座」「デリバティブ取引口座」などとの名寄せがある。
もともとは当該金融機関の管理上の利便性・正確性を確保するための内部手続きであった。
更に脱線、みずほ銀行さんは残念なことに、〇〇支店と、△△支店の口座をオンライン口座一元管理したい場合、携帯アプリからやらないと統合できなくて、(店頭では、普通にログインすればできますよ?って言うのですが、PCからは実行できないので申請用紙が必要になります)。他の銀行さんは分からないのですが、結構大変でした。
預金保険法施行以後
当該法律に基づき、ペイオフの手続き上、預金額確定を目的とする「名寄せ」の必要性が生じた。そのため、上記の内部的な「名寄せ」だけでなく、社会的意義・必要性が付加されることとなった。
マル優、マル特対象預貯金の預入限度額の確認の必要性から、古くから主として個人の定期性預金をはじめとして名寄せは行なわれていたが、基本金融機関任せになっていたようです。
さらに脱線、昔は郵便局の金利は小数点以下を切り上げる癖があったので、低金利時代に1.2%の高利回り商品に大化けするという裏技があったのは懐かしいお話ですね
https://allabout.co.jp/gm/gc/13937/
さて、預金保険制度で、1金融機関あたりのペイオフが1,000万円/人という事になり、同一金融機関内の同一顧客の預金額を確定する事が必要になりました。
つまり、私が1つの金融機関で100の口座を持っていても、私1名として処理されるというお話と理解いただければ問題はないかと思います。銀行に倒産してもらうのは、非常に困った事態になるので、健全経営をして欲しい思いはありますけどね。
さらに、さらに脱線すると、、、、(どんだけですか)税理士さん、司法書士さんの世界では、名寄せというのは、名寄帳の事を意味するので、いつ、どこで、誰とお話するかによって、話題がかなり変わってしまう点だけご注意ください
生命保険業における名寄せ(契約参照)
尚、生命保険業では、他界された方がどの保険に入っていたかが不明になるため、契約参照制度という物があります。こちらは名寄せではなく、『検索』である点はご注意ください。
本題の名寄せとは
昨今は、「名寄せ」の定義が拡大し、金融機関以外でも、「顧客の一元管理」の文脈のなかで「名寄せ」が語られたり、個人情報保護・機密漏洩の文脈で、個人情報の一元管理」の文脈のなかで「名寄せ」が語られるなど、その意味は拡大しつつある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E5%AF%84%E3%81%9B
やっと本題になったと思ったら、いきなりWIKIPEDIA参照で手抜きすんな!と怒られそうですが、疲れたのでこれくらいでご容赦下さい。
つまり、これまで手抜きして、山川白水さんという人が1つの顧客DB内に30人いる、みたいなデータ管理だった物を、山川白水が実体に1人であれば、1人、かつ正しい住所、電話、メールアドレスに重複排除するという事なのです。
SFDC時代の名寄せ
恵比寿にsalesforceがあったころ、インサイドセールスとして、日々名寄せ処理を行っていました。B2Bだったのもありますし、ホワイトペーパーをダウンロードしてくれた人と、フリートライアルを入れた人が同じかどうかを担保するのが結構重要な時代でした。
幸いな事にアメリカのSFDC本社の設計がしっかりしていたこともあり、当時は以下のようなデータだったので、名寄せも[重複検索]ボタンを押して、メールアドレス、社名で検索して、既存取引先でないか、直近別のインサイドセールスが連絡している関連部署の人でないかを調べる程度でした。
- イベント参加者リスト
- ホワイトペーパーダウンロード
- フリートライアル申し込み
- コンタクトミー(問い合わせ)
同じ人は、SFDCの機能上3レコードまで名寄せ処理が出来るので、(これが結構後々涙を流すことにはなるのですが)当時はメアド(ドメイン側)の検索で結構な確率で正しいデータをメンテナンス出来ていたと思います。classicしかなかったので、当時はこんな感じの作業を1日中(新規リードをアサインされる都度実行していた次第です)
法人データマスターメンテナンスとアメリカンな闇
アメリカでは、法人リストのマスターメンテナンスというテーマがホットになった時期がありまして、アメリカのデータクレンジング会社さんにマスタークレンジングを依頼したことがありました。
なんと!法人データが本来の正しい企業に紐づかなくなること40%!
60%も綺麗に名寄せで来たんだから成功です!というアメリカ本社の偉い人からのメールはそっと閉じ、国内でエスカレーションをあげて、データを元に戻してもらったのは言うまでもありません。
とは言え、法人データが英語になっていないと困るというので、社名だけ英語を残してという血の汗を流していたのを思い出します。
また別の会社でのお話ですが、大学の先生のような個人と法人の中間のような属性データを、大学単位で名寄せしてしまったために、例えば東大のA研究室のソフトウェア資産を、同大学のZ研究室からダウンロード可能な状態になってしまったというような事件も発生しました。
※結構アメリカはここらへんの運用が緩いのかなぁという印象は持つのですが、実際の所どうなんでしょうね。
〇〇ー〇社にいた頃の名寄
業務委託で受けていたお仕事につき、社名は伏せますが、MAを中心にしたシステムを売っている会社のお仕事をご支援していたことがありました。
リードは沢山ある(本当に1日に100以上の『リード』が生成されていました)との事だったので、わくわくしながら業務を開始したのですが、そこでは、重複リードが1日10件(結局正味発生していたリードは1日10件未満という状況)だったのです。
さて、先ほど述べた1度にマージ出来る数が3件の闇にぶつかりまして…かつ、過去のリードも同じようにメンテナンスされてなかったので、1人の人が100レコード!のような状態になってしまっていました。
また、広告代理店の営業の方のような、営業対象にならないパートナー候補の方ばかり(とは言え、その人達が案件になるケースもあったので痛かった)だったこともあり、本当に地獄の日々でした
脱線しすぎて息切れ
本当に申し訳ございません。後半に続く!とさせていただければ幸いです。